@取材日記 第10回赤羽セミナー② 防災セミナー 首都直下地震に備える北区でくらす防災行動
「地震対策を行ううえで、最も重要なことは命を守ること。命がなければ、備えたものが役立つことはありません」
講師の公益財団法人市民防災研究所 主任防災研究員の伊藤英司さんが冒頭に言った言葉です。
第10回赤羽セミナー&無料個別相談会で開催された防災セミナー「20XX年!首都直下地震への再確認をしよう!」に参加しました。
地域の専門家に学ぶ今回は、防災の専門家 伊藤さんに話を伺いました。
震災から学んだこと
―建物の耐震化・火災の早期発見と初期消火の重要性と衛生管理―
今年2024年元旦に発生した能登半島地震では、犠牲者の8割以上が建物の下敷きになり亡くなりました。
対策として、地震に強い住まいに住む(昭和56年以降に着工された建物は一定の耐震性が期待でき、震度7クラスでも人命の危険を及ぼす倒壊を防ぐ)、家具類の転倒落下移動防止対策(大地震後の生活スペースを確保)などが挙げられます。
地震発生時に発生しやすい火災は、早期発見により延焼を防ぐ必要があります。
電気系統が原因となって火災が発生することが多いため、分電盤のブレーカーを切るなどの初動が大切です。
また、出火しても小さな火のうちに消し止める初期消火により、延焼を防ぐことが重要です。
巨大地震が発生すると、断水が起こり、消火栓が使用できなくなるため、延焼拡大を防ぐことが困難になってしまいます。
また、断水になると手を洗うことができず、トイレも流すことができません。
衛生状況が悪化し、感染症などが広がる恐れがあります。
災害時に必要なものは、災害が起こった時に手に入らない 事前の備えの大切さ
東日本大震災の被災地調査によると、日頃から訓練を行なっていた地域で、訓練が活かされた例がありました。
岩手県大槌町の小学校では校庭脇の備蓄倉庫に炊き出し釜と米が備蓄してあり、毎年炊き出し訓練を行なっていました。
そのため、震災当日からピンポン玉サイズではありますが、おにぎりの炊き出しを行うことができたそうです。
日頃の備えと訓練の重要性がわかります。
今後発生が予想されている首都直下地震では、最大避難者が約290万人にのぼるとされています。
これは東日本大震災の47万人を大きく上回る数字です。
避難所での生活は、決して快適なものではありません。
プライバシー確保の難しさやコロナなど感染症のリスクもあります。
避難所生活をしないための備えを各家庭で行うことが重要です。
日頃からできる防災
地震発生時に倒壊や家具の下敷きにならないために
地震で発生する火災の初期消火
備えておきたい必需品
トイレは3時間以内に4割の人が行きたくなるため、各家庭でのトイレ対策は非常に重要です。
紙コップに防臭袋をかぶせ、凝固剤5グラムを入れて作るワンカップトイレを紹介いただきました。
地域における助け合い
地域の住人同士による助け合いが大切になります。日頃から地域のイベントに参加して近所同士の付き合いをしたり、防災訓練などに参加することが、実際に災害が発生した時に役立ちます。
外出時や通勤時に、持ち歩くお薦めのものは?(参加者からの質問)
モバイルバッテリー、長時間歩くことを考えて靴擦れ時用の絆創膏、懐中電灯などです。
スマートフォンは懐中電灯の代用もできます。
また、情報収集の方法を普段から知っておいて欲しいです。
徒歩帰宅者になった場合に備え、災害時に徒歩で帰宅する人を支援する帰宅支援マークがあるので、普段から通る道のどこに貼ってあるのか確認してみてください。
帰宅支援マークが貼ってあるコンビニやお店では、トイレ・水道・情報の提供を行ってくれます。
帰宅支援マーク
https://www.city.joyo.kyoto.jp/0000001211.html より引用
ペットがいる場合の避難所生活は?
実際に災害が発生した際、避難所に連れては行けますが、避難所の建物の中に入ることはできません。
ペットは建物の外にある飼育スペースで生活をします。
また、ペットのケージ、食べ物、水、トイレなどは飼い主の持参となります。
セミナー来場者特典 防災ボトル5点セット
ウォーターボトル、LEDハンディライト、ホイッスル、カラビナキーホルダー、アルミブランケットの5点セットをいただきました。
今後いつ来るかわからない巨大地震に備え、日頃から防災対策を心がけておくことの必要性をあらためて感じました。
地域のハザードマップを見たり、防災グッズを確認し揃えたり、自分自身が被災した際にどのように行動するかなど、事前に対策について家族と話し合っておきましょう。