RanRan

#04 結婚すると何が変わるの?(全4回)

第1回「戸籍に入る

こんにちは、WebマガジンRanRunのランです。今回のテーマは「結婚」です。
「結婚とは?」を制度という観点から調べてみることにしました。

どういう制度でどんな手続きが必要なのか、結婚によって何が変わるのでしょう。
司法書士、社労士、税理士の先生にインタビューしてきました。

先ずは「戸籍」について、司法書士法人赤羽法務事務所 代表社員認定司法書士 春日順子先生、認定司法書士 松尾昭史先生、北区区民部戸籍住民課に取材させていただきました。

松尾昭史先生(左) 春日順子先生(右)

松尾昭史先生(左)
春日順子先生(右)


「入籍」と言いますが、

籍を入れるとは具体的にどういうことなのでしょう ―

「入籍」と言いますが、  籍を入れるとは具体的にどういうことなのでしょう

春日先生

日本人であれば誰でも生まれた時に、どの親から何年何月何日に生まれたか名前をつけて「出生届」が提出され、その両親の戸籍に名前が登録されます。戸籍謄本というのは、平たく言えば、国民であることを登録する制度ですね。

子どもが産まれて、区役所に「出生届」を出すと、両親の戸籍の中にその子の新しい戸籍ができて、その子の生年月日、名前、続柄などそういうものも含めて登録されます。

やがて成人して結婚するとなると、今度は「婚姻届」を提出して、親の戸籍から抜けて新しい戸籍を作ります。(戸籍を作ることを編製といいます)
新しい世帯の戸籍を作るときに、夫の氏を称する戸籍、婚姻を選択すると、夫が筆頭者になり、妻はその横に名前が載ります。

戸籍には、この人は元どこそこの筆頭者だれだれの戸籍にいた人が新戸籍を編製してここにきましたということが、書かれます。
だから、どこからその新戸籍を作ったのかが、必ずわかります。
結婚して籍を入れるというのは、2人で新しい戸籍を作るという、戸籍上はそういう手続きになります。

親の戸籍から抜けるのは寂しいですが、新戸籍というのが出来上がります。
それが入籍手続きです。

松尾先生

新しい戸籍を作ると、前にいたところの戸籍からは除籍になったということになります。結婚式はしても籍を入れないという人もいますよね。それは、新しい戸籍を作っていないので、前の戸籍のままということになります。

春日先生

親御さんの戸籍の方にも履歴が残ります。
この子は結婚して、新しい戸籍に移ったから、この戸籍は抜けましたと記録されます。
日本の戸籍制度は素晴らしいと思います。


新戸籍の本籍地は選べるのですか ―

新戸籍の本籍地は選べるのですか ―――

春日先生

本籍地は、自分の住んでいる場所とは違うもので、「ここに自分の本籍を設けます」という届けをして、戸籍は最初に作られます。
例えば私は北区に住んでいますが、千代田区のこの場所が好きだというのがあれば、そこを本籍地にしてもいいのです。


日本の戸籍がない海外の方と結婚する場合、

新戸籍はどうなるのでしょうか ―

春日先生

例えば日本人の男性が外国籍の女性と結婚する場合、日本人の男性は新戸籍を作ります。妻が日本人だったら、「妻、誰子」といったように書かれますが、そこのところは「なになに国の誰さん」という表記だけですね。これは入籍ではないのです。
あとは相手の方の国の方の婚姻制度に基づいて、日本の方が登録されると思います。
各国で登録制度は違うと思いますが、婚姻したことはわかるようになります。
相手の国にもそういう制度があったら、そこにも登録される。そこに日本人の誰さんと結婚しましたというのが、登録されると思います。

RanRan

入籍というのは、結婚する二人が新しい戸籍を作ることだとわかりました。
戸籍はその人その人の履歴を辿ることができるものなのですね。
第2回は、夫婦別姓や離婚、籍を入れないことのデメリットについてインタビューします。

結婚すると何が変わるの? 第2回「戸籍は立場を守ってくれる ――― もぜひご覧ください。


第2回「戸籍は立場を守ってくれるに続く


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 協力
司法書士法人 赤羽法務事務所
春日 順子 先生